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碑は語る 震災10年

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復興を願って-。イチロー選手らのサインが並ぶ=神戸市中央区、中突堤中央ターミナル
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復興を願って-。イチロー選手らのサインが並ぶ=神戸市中央区、中突堤中央ターミナル

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 観光客が行き来する神戸港・中突堤中央ターミナル。海に面した広場に、レンガの壁が二つ立っている。表面には数々のメッセージやサインが焼き付けられている。そばを歩いていた若い女性が歓声をあげた。

 「あっ、イチローのサインがある!」

 壁は、縦約一メートル、横約十メートル。「がんばろうKOBE」を合言葉に、震災翌年、オリックス・ブルーウェーブは日本一に輝いた。壁はその翌年に完成した。

 神戸の街に“復興レンガ”を敷き詰める活動をしていた市民グループが手掛け、「被災地を元気づけたい」と仰木彬監督が資金を出した。レンガは約七百枚。選手に加え、地元の子どもたちも「神戸といっしょにがんばれブルーウェーブ」「希望を胸に未来へと」などのメッセージを寄せた。

 オリックスブルーウェーブ応援会の河内毅団長(61)は振り返る。「避難所に来てくれた選手が戦う姿に、私たちが頑張らな誰が頑張るんやと、励まされた」。長田区の自宅が全焼した会社員谷口之朗さん(43)も「選手とは一体だった。球団の優勝というより、神戸が優勝したと思った」。

 壁に目をやった。「優勝したのではなく、させていただいた」。球団関係者が寄せた文だ。しかし、市民と歩んだ球団は合併で消える。悔しさをにじませながら、谷口さんは言った。「壁は、当時の思いが詰まった証(あかし)なんです」

 イチロー選手のサインが少し黒ずんでいた。世界にはばたく「われらがヒーロー」に思いを重ね、多くの人が触れたからだろうか。熱い思いに引き寄せられるように、私もサインをなぞった。

(記事・中島摩子、写真・小林良多)

2004/10/21

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