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碑は語る 震災10年

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地域に愛される3体のお地蔵さん。地蔵堂は住民の憩いの場になっている=神戸市長田区日吉町5
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地域に愛される3体のお地蔵さん。地蔵堂は住民の憩いの場になっている=神戸市長田区日吉町5

  • 地域に愛される3体のお地蔵さん。地蔵堂は住民の憩いの場になっている=神戸市長田区日吉町5

地域に愛される3体のお地蔵さん。地蔵堂は住民の憩いの場になっている=神戸市長田区日吉町5

地域に愛される3体のお地蔵さん。地蔵堂は住民の憩いの場になっている=神戸市長田区日吉町5

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 碁盤の目のように整然とした道路。真新しい家々-。街並みからは、この場所がかつて長屋の立ち並ぶ下町だったとは想像もつかない。防災公園「ポケットパーク」の一角、地蔵堂に集う住民たちの人懐っこい笑顔を除いては…。

 JR鷹取駅南東、神戸市長田区日吉町。震災による大火に見舞われ、公園がある五丁目では二十七人が亡くなった。住民が世話してきた二体の石地蔵も、一体は真っ黒に焼け焦げ、残る一体は頭部がなくなった状態で焼け跡から見つかった。この二体と、後に寄贈された木彫りの一体が地蔵堂に安置されている。

 「実は、燃えた二体は供養して近くの寺に引き取ってもらうことになっていたんですよ」。町内会長の石井弘利さん(63)が教えてくれた。

 震災の年の夏、住民らはお別れの地蔵盆を開いた。なくなった頭部は粘土でつくり、着物も用意した。ばらばらに避難した住民が久々に顔をそろえたその場で、自然に声が上がった。「お地蔵さん、おらんようになるの嫌やなあ」

 二〇〇一年、復興土地区画整理事業が完了。町内の世帯数は震災前の約半分に減り、新しい住民が大幅に増えた。「お地蔵さんが残って本当に良かった」。石井さんは言う。「ゼロからのまちづくり。でも、地蔵堂の世話に人が集まり、交流が生まれた。ただの公園なら、ここまで人は寄ってこなかった」

 お堂をのぞいた。被災した二体に挟まれるように、「力を合わせ」との願いが込められた「あわせの地蔵」が鎮座する。穏やかなほほ笑みに、人懐っこい笑顔が思い浮かんだ。

(記事・中川佳男、写真・小林良多)

2004/12/2

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