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碑は語る 震災10年

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「みんな一緒だよ」-。碑を囲む園児たち=芦屋市川西町、精道幼稚園
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「みんな一緒だよ」-。碑を囲む園児たち=芦屋市川西町、精道幼稚園

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 わすれない あなたのことを
 わすれない あのひのことを

 芦屋市の清流、芦屋川近くにある精道幼稚園。丸いカーブを描く石碑がある。今年一月十七日朝も、阪神・淡路大震災で犠牲になった三人の遺影に花束が添えられ、園児らが手を合わせた。

 「この子たち死んじゃったの?」。女児が聞いた。先生が話し始める。「悲しいけど、知っておいてほしいことなの」

 この幼稚園に通っていた米津深理(みり)ちゃん=当時(5つ)=と、兄の漢之(くにゆき)君=同(7つ)=とは、震災で亡くなった。音楽が好きだった深理ちゃん。愛用のキーボードが倒れてきたタンスを支え、父の勝之さん(44)は無事だった。

 園児らは卒園までの一年余を写真の深理ちゃんと過ごした。絵をかくときは画用紙を、おやつの時間には、クッキーやアメを遺影の前に置く。男児の一人は花を手に先生に言った。

 「僕の心の中にみりちゃんは生きているよ」

 亡くなった後も深理を思いやってくれる。そんな優しさを忘れないで-。願いと感謝を込め、米津さん夫妻は卒園式の日に、亡くなった三人の名を刻み碑を建てた。

 昨年十二月、米津さんは碑に供えられた手紙に気付いた。「お誕生日、おめでとう」。中学三年生になっても忘れない同級生に胸が熱くなった。「たった五年の人生だったけど、その間に出会った人々の心の中に深理は確かに生きている」。それは、米津さんにとっても生きる糧となる。

 寒空の下、歓声を上げる子どもたち。碑は優しく見守っている。

(記事・安藤文暁、写真・大山伸一郎)

2005/1/20

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