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碑は語る 震災10年

(29)祈念石 石手寺(松山市) 巡礼地に被災地の願い
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祈念石には、被災者のメッセージが込められている=松山市石手、石手寺
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祈念石には、被災者のメッセージが込められている=松山市石手、石手寺

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 見上げれば、伊予柑(いよかん)がまぶしい。小高い丘に広がるミカン畑は、どこもかしこもオレンジの実が収穫を待つ。愛媛県・道後温泉にほど近い四国霊場第五十一番札所「石手寺」を訪ねた。

 天平元(七二九)年の開基。お遍路さんに縁が深い土地柄。四国巡礼の先駆けとされる衛門三郎の没後、赤ん坊が同氏の名を書いた石を手に生まれたとの伝説から石手寺と名付けられた。

 被災地の石にメッセージを刻んだ「祈念石」は、広い境内の一角で陽光に照らされていた。

 住職の加藤俊生さん(47)は震災後、神戸に駆け付けたが本格的なボランティア経験はなかった。長田や鷹取の焼け跡を歩き、花が置かれ、石が積まれた場所で経を上げた。

 「あのとき、見かけたお年寄りはどうしているだろう」

 松山に帰っても、心に刺さったとげは抜けなかった。二年後、高齢者を支援する宝塚市のボランティア「きずな」を知り、仲間とつくる太鼓グループ「打てば響く会」として同市を訪れ、演奏を披露。道後温泉にお年寄りを招待した。

 県外被災者が集う会も結成。毎年一月十七日に法要を営む。心のよりどころにと二〇〇一年、宝塚や西宮を訪れ、石を求めた。住職が亡くなった宝塚の妙玄寺は「全国から来た人に手を合わせてもらえれば本望」と石柱や瓦を提供した。

 祈念石は「絆(きずな)ずっと」「思いやりの心いつまでも」と、被災者の思いを伝える。石の一部で今年一月、新たな灯ろうが造られた。宝塚市の亀甲つぎこさん(57)は「松山の人は私たちを励まし、勇気をくれた。きずなを一層強くしたい」と話す。

(記事・写真 小西博美)

2005/2/3

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