記事特集
阪神・淡路大震災の被災者らが住む兵庫県内の公営住宅(災害復興住宅)で、一人暮らしの入居者が誰にもみとられずに亡くなる「独居死」が、2010年の1年間で51人に上ったことが14日、分かった。
兵庫県警の検視結果を参考に、神戸新聞社がまとめた。09年から11人減り、08年の46人に次いで少なかった。仮設住宅が解消した00年1月以降、11年間の独居死者数は計681人になった。
51人の内訳は男性26人、女性25人。男性が前年比で18人減り、女性は7人増えた。死因は病死が43人。のどに食べ物をつまらせた窒息死などの事故死が4人、自殺が4人だった。
年代別では、70代が18人と最多。80代14人▽60代9人▽50代5人▽90代3人-と続き、30代、40代は各1人だった。平均年齢は72・6歳で、65歳以上が37人と7割を占めた。最高齢は芦屋市で病死した93歳の女性だった。
約半数の26人が24時間以内に見つかった一方、発見に2~10日を要したのは20人、11~20日が2人、1カ月以上が3人いた。最長は脳卒中のため亡くなった淡路市の73歳女性で死後51日が経過していた。郵便物がたまっているのに気付いた市職員が、親族に連絡し分かったという。水道を12時間使わなかった場合に作動する警報で発見されたケースもあった。
発見者は、ホームヘルパーや管理人、介護士、自治会長などが最も多く23人で、家族(18人)、隣人・知人(6人)と続いた。(永田憲亮)
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