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兵庫県教育委員会は2011年度以降、小中高校生向けの新たな防災教育教材を順次作成する。発生から16年となる阪神・淡路大震災の教訓を伝えるとともに、近年大きな被害をもたらした水害や台風など、さまざまな災害から「命を守る力」を身に付ける内容にする予定。11年度は小学生用の防災教育副読本を約15年ぶりに発行し、12年度には中学、高校生用の教材作りに取り掛かるという。
学校現場では現在、震災の教訓を中心にした副読本「明日に生きる」を使用。1997~98年、小学低学年、同高学年、中学、高校生用に分けて発行し、全公立小中高校に配布した。
被災した子どもの作文や詩を載せ、命の大切さや地域の助け合い、ボランティア精神を語り継ぐとともに、地震発生のメカニズムや応急処置、避難方法も説明している。県教委の調査では2009年度、小学校の96%、中学校の58%で総合的な学習の時間や道徳授業などで使用し、他府県から「転載させてほしい」といった申し出もあるという。
一方、04年の台風23号被害、09年の県西・北部豪雨などでの災害では子どもが犠牲になり、避難生活を強いられた。「震災のみならず、さまざまな自然災害に対応できる防災教育に発展させよう」と、水害事例などを組み込んだ新副読本の計画が持ち上がった。
財源は復興基金を活用。教員や学識経験者らが内容を練るという。高校生用の教材は映像の活用も検討している。県教委は「震災で学んだ共生の心をはぐくみ、命を守れる子どもを育てる。兵庫ならではの防災教育を推進したい」としている。(中島摩子)
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