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ひょうご震災記念21世紀研究機構(理事長・貝原俊民前県知事)は28日、災害への備えや発生後の対応をまとめた手引書「災害対策全書」を5月に出版すると発表した。地震や水害のほか、大規模事故やテロなど人為的な災害も想定。外国語への翻訳も検討しており、阪神・淡路大震災後の教訓を国内外に発信する。(井関 徹)
震災の教訓は出版物や講演会などで伝えられてきたが、「行政や企業、地域の備えや災害発生後の対応をまとめた総合的な指針はなかった」(同機構)という。
このため同機構は2年前に委員会を設置し、編集に取り掛かった。災害後の各段階で起こる問題と対応を整理するため、研究者や行政の防災担当、企業、ボランティアなど234人に執筆を依頼した。
全書はA4判で「災害概論」「応急対応」「復旧・復興」「防災・減災」の4巻(2万3千円)。429項目を約1700ページにまとめた。
発生直後から仮設住宅ができるまでの応急対応では、救助や感染症予防など応急医療、被災者の経済的な支援での課題などを収録。阪神・淡路のほか、新潟県中越沖地震などの復興過程に触れ、高齢者ら要援護者の生活支援や心のケア、復興まちづくりの在り方を掲載している。
東南海・南海地震や首都直下型の地震を想定した防災計画、減災対策がどれほどの投資効果があるかを試算した研究結果も盛り込んだ。
編集代表の五百旗頭真防衛大学校長は「震災を生き残った者の教訓と知恵を集約した4巻。今後の災害に生かしてもらいたい」。河田恵昭・人と防災未来センター長は「各自治体や関西広域連合の防災担当者は必読」と話す。
2月1日から割引価格(1万9800円)での予約販売を受け付ける。
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