記事特集
阪神・淡路大震災など国内外の災害被災地で書かれたメッセージ入りオブジェ「シンサイミライノハナ」約1万本が15~17日、神戸市中央区の東遊園地など9カ所で飾られる。20代前半の若者たちが、震災被災地のほか兵庫県佐用町やインドネシアなどを訪ね、メッセージを集めた。家族を失った悲しみ、助かったことへの感謝、強く生きる決意などの思いが、震災16年を迎える神戸を包む。
「シンサイミライノハナプロジェクト」で、NPO法人「Co・to・hana(コトハナ)」(大阪市)が取り組む。スタッフは、神戸芸術工科大出身の代表理事西川亮さん(24)=堺市=ら4人。同大や関西学院大、神戸大の学生もボランティアで参加する。
ミライノハナは、震災の記憶を伝え、つながりを育もうと企画した。長さ約10センチの黄色い花びら状の紙にメッセージを書いてもらい、5枚で一つの花にする。初めて展示したのは昨年1月17日前後。事前に募ったメッセージで作った花を神戸で展示し、訪れた人にも思いを書いてもらい、花を増やしていった。
昨年8月には兵庫県西・北部豪雨で被害を受けた佐用町、9月と12月はスマトラ沖地震(2004年)被災地のインドネシア・アチェなどを、震災メッセージの花を携えて訪問。展示と花作りは共感を呼び、インドネシアでは「幼い娘に夫の死を打ち明けられた」などと感謝されたという。
今回は、計5万人分のメッセージを集め、東遊園地のほか、みなとのもり公園(神戸市中央区)などでも咲かせる。期間はHDC神戸(同区)のみ13~18日。会場では、震災メッセージや、昨秋に津波被害を受けたインドネシア・ムンタワイ諸島への支援メッセージを募る。
西川さんは「被災体験は異なっても、思いは共通する。ミライノハナで被災地を結んでいきたい」と話している。展示会場はコトハナのホームページで紹介している。(網 麻子)
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