法政大名誉教授で教育評論家の尾木直樹さんによる講演会が14日、明石市立西部市民会館(魚住町中尾)であり、約400人が参加した。「尾木ママ」の愛称で親しまれる尾木さんは、参加者から募った質問、疑問に答える形式で講演を展開した。第二恵泉保育園の主催。
「3人以上子どもがいる多子世帯の大学授業料が無償化になることをどう思うか」という質問に対しては「子どもたちの頭脳は国の宝。(全ての子どもを対象に)大学も高校も無償化すべきだ」と主張した。
また、自分が何者かまだ分かっていない思春期に、高校入試で他者と激しい競争をさせるのは良くないと話した。大学入試に重きが置かれる現状も批判。日本では卒業校などが重視されていることを挙げ、「本当に大切なのは何を学んできたかという学習歴」と語った。
「子どもがいじめられたら親はどう対応すればよいか」という問いには、「大前提として、いじめられる子に問題があるという言葉は間違い」と答えた。(学校側に理不尽な要求をする)モンスターペアレントの増加で教員がいじめっ子の指導がしにくくなっていることや、教員不足で教育の質が落ちていると解説。教育予算を増やし、学校がいじめの防止対策を十分に機能させる必要性があると話した。
また、いじめを防止するには子ども一人一人がいじめない感性を養うことが必要だと言い、「わが子がいじめられない子育てはない。いじめない子育てをしてほしい」と呼びかけた。(領五菜月)