源氏物語ゆかりの地を市内外にPRしようと、明石市は9月から「あかし源氏物語プロジェクト」と銘打った企画を始めた。天文科学館(人丸町)で「源氏物語と月」をテーマにしたプラネタリウムを投影するほか、文化博物館(上ノ丸2)では作品に関連する遺跡を市内につくった明石藩主・松平忠国にまつわる企画展を開く。市の担当者は「多彩な催しを通して、明石と源氏物語のつながりを多くの人に知ってもらいたい」と話している。(谷川直生)
紫式部を題材にしたNHKの大河ドラマ「光る君へ」が放送されているのに合わせた企画。源氏物語第13巻の「明石」では、都を逃れて須磨に身を隠していた光源氏が、明石入道の誘いで明石を訪れ、一人娘の明石の君と仲を深めていく。
光源氏が初めて明石の君のもとへ会いに行った日は「十三夜の月」だったという描写があったり、月を題材にした和歌が詠まれたりと、作中では明石の月の姿がたびたび描かれている。天文科学館のプラネタリウムではそれらの月について解説し、登場人物が見た景色を追体験してもらう。