平安期に成立した紫式部の「源氏物語」から翻案した江戸期の草双紙「偐(にせ)紫田舎源氏」や明治期の錦絵連作「現時五十四情」などを紹介する企画展「GENJI 江戸と明治の別物語」が、西宮市鞍掛町の酒ミュージアム(白鹿記念酒造博物館)で開かれている。千年以上の時を越え、今なお魅力は色あせず、いつの時代も読み継がれてきた「源氏物語」の世界を堪能できる。(西尾和高)
江戸期には「源氏物語」を要約したあらすじ本やパロディー本のほか、作中の場面、人物を当世風に描いた錦絵といったアレンジ作品が多く出版され、武家から庶民まで幅広く親しまれた。同博物館は「源氏物語」に影響を受けた作品を知ってもらうため、企画展の開催を決め、所蔵品を公開している。