30年前、まだ2歳だった。洲本市五色町鮎原下の自宅は半壊し、約8カ月、プレハブの仮設住宅で暮らした。あの時、激しく揺れる家の中で、両親が体に覆いかぶさり守ってくれた、と後に聞いた。
大野小学校(洲本市)教諭の木田貴大さん(32)にとって、1995年の阪神・淡路大震災は、身近なようで遠い存在だった。
小中学校時代、毎年1月17日が近づくと、震災について授業で学んだ。でも、被害をリアルに想像できなかった。
10年前、教師になった。今度は自分が子どもたちに震災や防災のことを教える番だ。どう伝えればいい? もっと勉強したい-。
昨年4月、約230人のチームの一員になった。兵庫県の教職員らでつくる震災・学校支援チーム「EARTH(アース)」。災害の被災地へ赴き、学校の避難所運営や再開を支える。震災をきっかけに誕生した。
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