「旅するチョウ」として知られるアサギマダラが、兵庫県南あわじ市志知松本の志知城跡に飛来している。昨年、地元の女性らがアサギマダラが好んで蜜を吸うフジバカマを植栽。今年は10月に入り、多い日では10匹ほどが羽を休めている。住民は「気軽にアサギマダラを見ることができる、新たな名所になれば」と期待を込める。(内田世紀)
地元の主婦らでつくるボランティアグループ「ほほえみ会」のメンバーは一昨年、多くのアサギマダラが飛び交う市内の諭鶴羽山を訪れた。美しい姿に感動したが、「車で行くにも道がよくないし、山頂は遠すぎる」と感じた。
疲れを引きずり「もっと近場で楽しめないか」と考えたメンバーは「志知城守る会」の関口功さん(70)に相談。関口さんは諭鶴羽山のフジバカマを世話する人から苗を譲り受け、城跡の一角に約200平方メートルの花畑を整備した。
昨年6月に植え付けたところ、飛来を確認できたのは11月に1匹だけだった。2年目の今年は、10月12日に1匹目が飛来後、徐々に数が増えている。
チョウを観察したメンバーは、羽の「あさぎ色」(淡い青緑色)に「上品な色」「本当にきれい」と歓声を上げた。
代表の富永頼子さん(78)さんは「チョウも人も集まる憩いの場になれば、うれしい」とにっこり。関口さんは「皆さんのアイデアと協力のおかげ。アサギマダラが呼び水となって、志知城跡の知名度もアップしてくれたら」と話していた。

























