棚田が入り組む淡路市の旧山田村を草香地区へと歩く。銀色の屋根がまぶしい大きな牛舎が目に入った。看板には「椚座牛(くぬぎざぎゅう)」の文字が。有名な「淡路ビーフ」とは違うのか。門をたたくと、笑顔で青年が迎えてくれた。
椚座慎之佑(しんのすけ)さん(26)。父・大造さん(52)が14年前に興した「大造畜産」で牧場の管理を担う。
「牛の生まれた土地が違うんです」
淡路島での成育期間が最も長い牛を「淡路牛」と呼ぶ。その中でも淡路島で生まれて兵庫県内で育った但馬牛(うし)で、品質を認定されたブランド肉が「淡路ビーフ」だ。ちなみに、神戸ビーフや松阪牛の素となる但馬牛も、半数以上が淡路島から出荷されている。
対して椚座牛は、鹿児島などで買い付けた子牛だ。味が良いとされる未経産雌牛を、水や配合飼料にこだわり肥育する。今では約400頭を飼育し、淡路市のふるさと納税でも人気が高い。























