約60万本のニホンスイセンが咲き始めた灘黒岩水仙郷。全国有数の群生地として知られる=南あわじ市灘黒岩
約60万本のニホンスイセンが咲き始めた灘黒岩水仙郷。全国有数の群生地として知られる=南あわじ市灘黒岩

 淡路島南部の観光地「灘黒岩水仙郷」(兵庫県南あわじ市灘黒岩)で、冬を彩るスイセンが咲き始めた。諭鶴羽(ゆづるは)山の斜面を彩る愛らしい花と甘い香りが、心を癒やしてくれる。見頃は今月下旬~2月中旬の予定。(劉 楓音)

 スイセンの群生は江戸時代、海岸に漂着した球根を植えたのが始まりで、大正時代に地元住民らによって水仙郷のルーツが作られたという。現在は斜面約1ヘクタールの範囲に約60万本のニホンスイセンが植わる。

 2023年に新たな遊歩道や2階建ての休憩施設を整備し、リニューアルオープン。敷地は約6割に縮小し、土壌の劣化で花の数も減っているため、24年からはニホンスイセンの球根を全国から提供してもらい、地元住民や市職員が植栽や手入れを続けている。

 近年は暖冬で開花の遅れが目立っていたが、今年は昨年より2週間ほど早く花がほころび始めた。「寒い時期と暖かい時期が交互に来たのがよかったのでは」と市の担当者。早速訪れた観光客は、紀淡海峡を眺めながら散策し、美しい風景を楽しんでいた。

 昨年から休憩施設のカフェも通年営業し、ワッフルやコーヒーを提供。ソファでくつろいでいたルイス・ラウルさん(27)はスペインから旅行中でサルが好きだといい、「淡路島モンキーセンター」を目当てに来島。近くの水仙郷にも立ち寄った。「スイセンの色と形が好き。きれい」と見入っていた。

 昨秋の落石で一部が通行禁止のため、今季周遊できるのは敷地の半分程度で、入園料は無料。休憩施設では、地元の特産品のみかんやひじきなども販売する。スイセン園は2月末までの予定。午前9時~午後5時(入園は午後4時半まで)。開花状況は市の公式サイトで確認できる。同水仙郷TEL0799・56・0720