初蹴りで古里の小学生チームとゲームを楽しむ香川真司=2日、神戸市垂水区、垂水スポーツガーデン(撮影・風斗雅博)
初蹴りで古里の小学生チームとゲームを楽しむ香川真司=2日、神戸市垂水区、垂水スポーツガーデン(撮影・風斗雅博)

 サッカー日本代表MF香川真司(26)=ドルトムント、神戸市垂水区出身=が年末年始、神戸でイベントを行った。クリスマスにはサンタとなって子どもの夢をかなえ、年明けは小学生らと初蹴り。いずれも自身が初めて企画した。香川は神戸新聞の取材に応じ、「自分にとって神戸は特別な存在。だからこそ何かしたかった」と思いを語った。

 昨年12月24日に同市須磨区のユニバー記念競技場で開かれた「シンジ・ドリーム・クリスマス」では幼児らとボールを追いかけた。「肩車してほしい」「リフティングを教えて」というお願いに笑顔で応え、約4時間もピッチに立った。「自分にとって地元であり、故郷である神戸で500人以上の子どもさんと多くのファンが来てくれたことが本当にうれしい」と振り返る。

 1月2日、同市垂水区の垂水スポーツガーデンの初蹴りでは古巣の東舞子サッカークラブなどの約50人にドリブルやオーバーヘッドシュートを披露し、「2016年のスタートを神戸の子どもたちとできることで、17年もまた初蹴りができるように1年間、頑張りたいという気持ちがあった」と温めてきた企画を実現させたという。

 社会貢献活動の原点は少年時代にさかのぼる。阪神・淡路大震災の爪痕が残る1995年7月、母校神戸市立乙木小学校を被災地支援のため訪れた三浦知良(48)に出会った。イタリア・セリエAで活躍する日本代表FWの姿が、6歳の目に強く焼き付いた。「三浦選手に来ていただいたことは大きかった」とし、自身も海を渡って活躍する選手になった。「僕も子どもたちに夢を与えるために、是非そんな存在になっていきたい」と抱負を語る。

 昨年12月25日には中高時代にサッカー留学した宮城県を訪れ、子どもたちにサイン入りのクリスマスプレゼントを手渡した。「今後もできることを少しずつですがやっていきたい」と、大災害に見舞われた二つの古里の子どもたちへ夢を与えていく。(伊藤大介、永見将人)