東日本各地に記録的な大雨を降らせ、甚大な水害が生じた台風19号。台風や豪雨のような気象災害は今後も考えられ、被災というリスクは避けて通れない。不幸にも自宅が水害に遭った時、何から手をつければいいのか。愛知県の任意団体「震災がつなぐ全国ネットワーク」が作った資料は、ポイントがまとめられ、知っておくべき情報ばかり。内容を紹介する。(ネクスト編集部 金井かおる)
同ネットワークは、1995年の阪神・淡路大震災以降、全国の被災地で支援活動を行ってきた約30のNPOやボランティア団体からなるグループ。突然の水害被害から生活再建するための手引き「水害にあったときに」は、手順がコンパクトにまとめられており、台風19号で被災した地域からも問い合わせが寄せられている。
■用途に応じ2種類
「水害にあったときに」は、水害被害にあったときの一般的な手順が紹介されたチラシ版(A4サイズ4ページ)と、より詳しい写真やイラストでまとめられた冊子版(A5サイズ32ページ)の2種類がある。
チラシ版に紹介される手順は次のとおり。
(1)被害状況を写真に撮る
(2)施行会社・大家・保険会社に連絡
(3)罹災証明書の発行を受ける
(4)ぬれてしまった家具や家電をかたづける
(5)床下の掃除・泥の除去・乾燥
(6)掃除をするときの服装
(7)復旧のまえに確認すること
例えば、「被害状況を写真に撮る」ことで、市町村から罹災証明書を取得するときに役立つという。撮り方のポイントとしては、
・被害の様子がわかる写真を撮る
・家屋の外を色々な角度から、浸水した深さがわかるように撮る
・室内の被害状況もわかるように撮る
・自動車、物置、納屋、農機具など屋外のもの、システムキッチンや洗面台など屋内の住宅設備、ぬれてしまった家電などの写真も撮る
とある。
床下の乾燥について、「消毒用エタノール(80%溶液)をスプレーし、ぞうきんでふき取る」「壁も水を吸っているので、中を確認」「しっかり乾燥させるには最低1ケ月」など具体的な点も記述されている。
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同ネットワークによると、最新情報を随時更新している。冊子版のダウンロードも以下のページで可能。平時からダウンロードした画像をスマホなどに保存しておくと、災害などでインターネット回線がつながらないときも取り出せて安心だ。
□「水害にあったときに」チラシ版・冊子版のダウンロード
http://blog.canpan.info/shintsuna/archive/1420