神戸市長田区で昨秋、不審火が相次いだ事件で、現住建造物等放火などの罪に問われた住所不定、無職の男(37)に対する裁判員裁判の公判が11日、神戸地裁(松田道別裁判長)であった。検察側は懲役8年を求刑し、弁護側は衝動的な犯行として「懲役5年6月が相当」と求め、結審した。判決は14日。
公判では、被告人質問があり、裁判官が事件の動機を尋ねると、男は「捕まりたいというのが一番大きかった」と回答。逮捕されやすい行動を取っていない点を別の裁判官が指摘すると、「(警察に)尾行されていたのが分かっており、すぐに捕まると思った」と話した。
起訴状などによると、男は昨年11月15日夜、同区内の事務所兼倉庫や店舗兼住宅など3カ所で、付近にあった段ボールや布などにライターで火を放ち、建物の一部などを焼損させたとされる。