宝塚歌劇団雪組の「ベルサイユのばら-フェルゼン編-」が11日、宝塚大劇場(宝塚市栄町1)で千秋楽を迎えた。公演後、今作で退団するトップ彩風咲奈(あやかぜ・さきな)のサヨナラショーがあり、多くのファンに見守られながら本拠地に別れを告げた。
彩風は「ベルサイユのばら」を見て宝塚歌劇団を目指し、2007年に93期生として入団。雪組に配属され、新人公演で5回主役を務めるなど期待を集めた。21年に生え抜きとして同組トップスターに就任した。
サヨナラショーは「ベルサイユのばら」のナンバーから選ばれた「ばらのタンゴ」で幕を開け、熱気あふれるダンスを披露。ソロで熱唱したのが「ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル」の「人生の主」。「宿命の星」(「蒼穹(そうきゅう)の昴(すばる)」より)で次期雪組トップの朝美絢(あさみ・じゅん)と肩を並べて2人で歌う場面は、互いに進む新たな道を激励し合うようだった。最後は黒い燕尾(えんび)服での群舞「オマージュ」(「ベルサイユのばら」より)で締めくくった。
ショーに続いて、宝塚歌劇の正装、緑のはかま姿で退団あいさつに臨んだ彩風。「宝塚に入ってから自分を変えるたくさんの出会いがあり、絆を知り、世界が大きく広がった」と振り返り、東京宝塚劇場での千秋楽まで「心からの感謝とともに舞台に立ち続けたい」と力を込めた。
公演後の記者会見では「最後に大階段から見た景色は、研ぎ澄まされた空間で、改めて夢の世界だなと思った。舞台に立たせていただく喜び、うれしさ、楽しさでいっぱいだった」と笑顔で語った。
同演目の東京宝塚劇場公演(8月31日~10月13日)千秋楽で退団する。(小尾絵生)