将棋の「伊藤園お~いお茶杯第66期王位戦」(神戸新聞社主催)紅白リーグで、日本将棋連盟会長を務める羽生善治九段のリーグ陥落が、最終一斉対局(5月7日)を待たずに確定した。羽生九段はリーグ入りした第34期(1993年)以来、33期連続でリーグ在籍以上(王位在位18期を含む)という歴代1位の成績を誇る。陥落は今回が初めて。
タイトル挑戦者を決める王位戦紅白リーグは、予選を突破した8人と前期の残留4人の計12人が、6人ずつ2組に分かれて競う。今期、白組リーグに在籍する羽生九段は、4月29日時点で1勝2敗。白組は永瀬拓矢九段が4勝と一歩抜け出している。直接対局で敗れた古賀悠聖六段が同日に3勝目を挙げたため、羽生九段は2局を残し、リーグ残留の可能性(白組の上位2人が条件)が消えていた。
羽生九段は30日、関西将棋会館(大阪府高槻市)で白組リーグの対斎藤慎太郎八段戦に臨んで敗れた。終局後、初の陥落を「結果としてはしょうがないかな、というところです」とし、今後に向け「まずは次のリーグ最終局でしっかり全力を尽くしたい」と語った。
羽生九段は86年、第28期の王位戦予選に初参加。第34期にリーグ入りするや、郷田真隆王位(現九段)に挑戦してタイトルを奪取した。
ただし、今回の陥落によって直ちに連続在籍記録は途切れない。来期に予選を勝ち抜き、リーグ入りすれば、記録は更新される。