日本のダンスホールを40年以上研究した成果を企画展で披露する関西大学社会学部の永井良和教授=大阪府吹田市、関西大学博物館
日本のダンスホールを40年以上研究した成果を企画展で披露する関西大学社会学部の永井良和教授=大阪府吹田市、関西大学博物館

 昭和初期に隆盛を極めた関西のダンスホール文化に光を当て、日本におけるジャズやダンスの歴史をひもとく企画展が、関西大学博物館(大阪府吹田市)で開かれている。40年以上にわたり研究を続ける同大社会学部の永井良和教授が、収集した当時のホールチケットやマッチラベルなどの希少資料を展示している。(藤森恵一郎)

 1923年、日本初のプロジャズバンド「ラフィング・スターズ」が神戸で結成されたが、同バンドを支援した神戸・元町の北尾楽器店には以前から楽器好きが集まり、アマチュアのバンド活動をしていたとされる。拠点は外国人が舞踏会を開いていたオリエンタルホテルだった。

 ジャズは元々踊るための音楽でもあり、永井教授は「ジャズの展開過程において、ダンスホールの発展が深く関わっていた」と指摘する。本展「ジャズとダンスのニッポン」では、東京中心の文化史観のもとであまり顧みられることのなかった関西のダンスホール文化に注目。日本のポピュラー音楽史やダンス史、風俗史を地方の視点から読み直そうとしている。