立会人の福崎文吾九段(右端)に封じ手を渡す永瀬拓矢九段(左)。右から2人目は藤井聡太王位=15日午後、神戸市北区有馬町、中の坊瑞苑(撮影・風斗雅博)
立会人の福崎文吾九段(右端)に封じ手を渡す永瀬拓矢九段(左)。右から2人目は藤井聡太王位=15日午後、神戸市北区有馬町、中の坊瑞苑(撮影・風斗雅博)

 将棋の藤井聡太王位(22)=竜王、名人、王座、棋聖、棋王、王将=に永瀬拓矢九段(32)が挑む「伊藤園お~いお茶杯第66期王位戦」(神戸新聞社主催)7番勝負の第2局が15日、神戸市北区、有馬温泉の旅館「中の坊瑞苑」で始まった。後手番の永瀬が午後6時0分、76手目を封じて初日の戦いを終えた。

 第2局の戦型は、藤井が勝った第1局の千日手指し直し局と同じ「角換わり腰掛け銀」に。永瀬は序盤、9筋の端歩を突かれても受けずに5四銀(28手目)と指し、後手番ながら中央から攻めの姿勢を見せた。

 一方、藤井は51分考えて相手陣に8三角(39手目)と打ち込む。さらに、昼食休憩を挟んで約1時間の長考で4四銀(55手目)と打ち、攻めの手を重ねた。

 永瀬は2八桂成(72手目)で相手陣の形を巧みに崩したが、藤井は3八金(75手目)で陣形を整備。永瀬は2時間24分の長考の末、手を封じた。

 副立会人の船江恒平七段(38)=加古川市=は「永瀬九段が多彩な作戦を用意し、うまく展開できたようだ。藤井王位はかなり先まで読まないと指せない強気の手が光る。しっかり時間を使って対応している」と指摘。「2日目は急所を見極めにくい局面が続き、深い読みの力が問われる」とした。

 対局は持ち時間各8時間。1日目の消費時間は藤井3時間54分、永瀬3時間24分。2日目の16日は午前9時に再開し、同日夜までに決着する見通し。対局の模様は神戸新聞NEXTでも紹介する。(小林伸哉、藤森恵一郎)

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