「被爆資料を見詰めることで、持ち主や、その遺品を大事に持っていた家族らの物語が見えてくる」と話す土田ヒロミさん=大阪市北区
「被爆資料を見詰めることで、持ち主や、その遺品を大事に持っていた家族らの物語が見えてくる」と話す土田ヒロミさん=大阪市北区

 広島平和記念資料館が収蔵する被爆資料を撮り続ける写真家、土田ヒロミさん(85)の作品、約170点が並ぶ「『ヒロシマ・コレクション』-1945年、夏。」が、大阪市北区中之島の中之島香雪美術館で開かれている。写し撮られた「モノ」を通じ、被爆の記憶を語り継ぐ。

 1982年から撮り続ける土田さんは、表現者としてあえて「撮影対象である被爆資料そのものの物語性を伝えるため、光も形も作らず、個性を表に出さないように心がけた」と語る。