まだ見ぬ先へ。この手で道を切りひらく(撮影・吉田敦史)
まだ見ぬ先へ。この手で道を切りひらく(撮影・吉田敦史)

 幼い頃、病で母を亡くした。母子家庭だったので私は天涯孤独になったが、母が遺(のこ)してくれたものは沢山ある。まず、優香という美しい名前。代わる代わる気に掛けてくれた知人や友人。そして、虎目石の古い指輪だ。