ニッケ(本店・神戸市中央区)は、「ウールの廃棄ゼロ」を目指し、六甲山牧場(神戸市灘区)と連携して、汚れて使えないなど不要な羊毛を有機質肥料に生まれ変わらせる活動に取り組んでいる。ウールには窒素やアミノ酸など土壌改善に効果がある成分が含まれているといい、土に返すことで「環境保全」からさらに一歩進んだ「環境再生」の実現を目指している。(谷口夏乃)
■六甲山牧場と連携
4月中旬、羊の毛刈りシーズンを迎えた六甲山牧場。ニッケの新入社員8人が作業服姿で集まり、羊8頭の毛刈りを手伝った。羊を散髪ブースに運んだり、飼育員が刈った毛の中から再利用できない部分を選別したりした。
毛刈りの手伝いは、新入社員に同社のSDGs(持続可能な開発目標)活動を理解してもらう狙いで実施した。安田国将さん(24)は「羊のための毛刈りだが、中には血が出ている子がいて少なからずストレスがかかっていると感じた。資源を無駄にしないことが大事だと思った」と話した。