みなと銀行 武市寿一社長
みなと銀行 武市寿一社長

 日銀による2回の利上げで「金利のある世界」が到来し、金融機関にとって預金の重要性が増している。預金で集めた資金を企業に融資して利ざやを稼ぐ基本的なビジネスモデルは、長く続いたゼロ金利時代には難しかったからだ。みなと銀行(神戸市中央区)の武市寿一社長(62)は「(融資より4%ほど低い)預金の兵庫県内シェアを、融資と同レベルに引き上げる」と目標を口にする。(聞き手・高見雄樹)

 -限りなくゼロに近かった預金金利が上向いた。お客さんの反応は。

 「上がったといっても、このレベルでは大きな反応はない。銀行として、(他行よりも高い)金利をつけて預金を吸収しようという発想もない。ただ、2025年1月の(りそなグループとの)システム統合を機に、資金の出し入れに関わる決済機能を強化する。現状では個人も法人も決済が弱く、給与振り込みや年金受給口座が伸びていない。預金の増強はシステム統合後に着手する」

 -なぜ弱いのか。

 「システム投資ができなかった。りそなグループに入って6年たつが、システム統合の時期が後ろにずれてしまった。来年以降は新商品の投入で巻き返す」