地域金融機関の経営環境が転換点を迎えている。今年3月、日銀がマイナス金利政策を解除し、その直後、年0・001%と下限近くにへばりついていた普通預金金利が0・02%程度まで上昇。17年ぶりに「金利のある世界」へ反転した。7月末の追加利上げにより、0・10%まで上げる金融機関も出ている。金利の復活は家計や中小企業にどんな影響を及ぼすのか-。地域経済の「血流」を支える兵庫県内の金融機関トップに対応を聞く。初回は県内11信用金庫で最大規模を誇る尼崎信用金庫(尼崎市)の作田誠司理事長(61)。「地域金融の現場は激動期に入った」と表情を引き締める。
-4月に預金金利を上げた。
「店頭のお客さんの動きに大きな変化はない。金利に敏感な顧客が、政策金利の変更前から金利を上げたネット銀行に一部を預け替えた可能性はある」
-貸出金金利も引き上げる。