全国の官公庁や企業に納入するモザイクパネル式パネルなどを背にするケー・シー・シー・商会の姫野泰宏社長=神戸市西区室谷1
全国の官公庁や企業に納入するモザイクパネル式パネルなどを背にするケー・シー・シー・商会の姫野泰宏社長=神戸市西区室谷1

■「一品一様」ニーズに応じ技術で製品化。

 道路網や鉄道網、ガス、電気系統まで、自治体や企業の多様なインフラをリアルタイムで監視する表示盤。大きなものは高さ約6メートル、幅約20メートルに及ぶ。鉄道駅や道路の案内表示板など屋内外の発光ダイオード(LED)表示システムも手がけ、「暮らしを陰から支え続ける」。ケー・シー・シー・商会(神戸市西区)の姫野泰宏社長(49)は胸を張る。

 神戸で戦前に電気工事業を始めた祖父冨生(とみお)氏が1958(昭和33)年、布で電線の配線表示材(ラベル)を開発、創業した。電気関連製品の輸入もしていた冨生氏が、ドイツの展示会で当時最新鋭のインフラ向けの監視パネルに出合った。姫野社長の伯父で現相談役の冨治氏を現地に留学させるなど自社開発を進め、65年に国内で初めて製品化。70年代後半から受注を伸ばし、韓国や中国、サウジアラビアなど海外へも納入されている。

 主力は、数センチ四方の樹脂製タイルや電光掲示板などを組み合わせるモザイク式パネル。警察、発電所、水道局…。監視対象ごとに設計から製作、運用試験まで一貫して自社で担う。「一品一様」を武器に、ニーズに合わせた柔軟な製品づくりを追求し、国内シェアは8割近くを誇る。