アパレル大手のワールド(神戸市中央区)は28日、三菱商事子会社の三菱商事ファッション(東京)の全株式を取得し、完全子会社化すると発表した。両社の経営資源を結集し、外販事業の強化や、ブランド投資事業の拡大を目指す。取得額は93億2500万円、株式譲渡は2025年2月中の予定。
三菱商事ファッションは2009年設立。アパレル企業への衣料品や服飾雑貨のOEM(相手先ブランドによる生産)供給などを手がける。長年の知見を生かし、企画や生産管理システムなどを開発提供することで、アパレル業界の課題解決にも取り組んでいる。24年3月期の連結売上高は919億4900万円。
一方、ワールドは、OEM事業のほか、店舗開発やブランド戦略などのノウハウを他社に販売するプラットフォーム事業を展開。三菱商事ファッションの持つ、グローバルなネットワークや人材を活用し、新規案件の獲得やサービスの拡充などで、両事業のさらなる収益拡大を見込む。
また両社は、アパレルブランドの事業再生や成長を支援する投資事業を手がけており、ワールドは成長戦略の中核に位置付ける。両社の投資ノウハウなどを活用し、同事業の拡大を狙う。(谷口夏乃)