川崎重工業神戸工場(神戸市中央区)で6日、防衛省向け潜水艦「らいげい」の引き渡し式があった。海上自衛隊の最新鋭艦「たいげい型」の4隻目で、海自潜水艦隊第1潜水隊(広島県呉市)に配備される。
全長84メートル、幅9・1メートル、高さ10・4メートル、基準排水量約3千トン。艦名は「雷」と「鯨」を組み合わせた。建造費は約702億円。
出力を高めた新型ディーゼルエンジンを搭載し、発電効率を高めた。潜航中は蓄電したリチウムイオン電池を動力とする。乗組員は約70人で、女性向けの居住区を備える。海自の現役の潜水艦は計26隻となる。
式典には約300人が出席。川重の橋本康彦社長が金子容三防衛政務官に引き渡し書を手渡し、らいげいに自衛隊旗が掲げられた。金子氏は艦上で訓示し、「国際社会は新たな危機の時代に突入し、安全保障環境は戦後最も厳しい。らいげいへの期待は極めて大きい」と乗組員らを激励した。
出航セレモニーでは乗組員が艦上に並び、関係者や家族らが音楽隊の演奏に合わせて旗を振って見送った。(広岡磨璃)