「都留先生には弱者を助けようという気持ちがあって、広くステークホルダー(利害関係者)に対して知識や富の公平な分配を考えておられた」。関西経済連合会長の松本正義さん(80)=住友電気工業会長、洲本市出身=が終生の師と仰ぐのは、戦後日本を代表する言論人で元一橋大学長の都留重人さんだ。松本さんが同大で入部した陸上競技部で部長だったのが都留さんだった。世界の経済学者との研さんで培った高邁な見識や人格とともに、グラウンドや自宅で学生たちに注いだ愛情を胸に刻む。来年で没後20年。師の思い出を語ってもらった。(特別編集委員・加藤正文)