万博会場の人工島・夢洲(ゆめしま)=2025年2月28日、大阪市此花区
 万博会場の人工島・夢洲(ゆめしま)=2025年2月28日、大阪市此花区

 4月13日開幕の大阪・関西万博は、さかのぼること12年前、ある人物の一言から始まった。「万博は人を集める求心力がある。東京一極集中では駄目だ。今こそ、もう一度大阪で開催しよう」。大阪市中心部のオフィス街にある寿司店で熱弁を振るったこの人こそ、1970年大阪万博の仕掛け人として知られる堺屋太一。大阪府知事の松井一郎、大阪市長の橋下徹を前に「万博誘致論」を唱えた。会食の3日前には、東京での2度目のオリンピック開催が決まったばかりだった。大阪を再び成長させるためにも万博を-。危機感が突き動かした誘致活動は、時の政権を巻き込み、2025年の開催に結実した。