KADOKAWAから出版された「おばあちゃんとかめ 何げに楽しい2匹とのくらし」
KADOKAWAから出版された「おばあちゃんとかめ 何げに楽しい2匹とのくらし」

 神戸新聞朝刊に連載中の漫画「おばあちゃんとかめ」(第2、4土曜日)を収録した単行本が、KADOKAWAから発売された。作者のやましたこうへい(山下浩平)さんは、大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」のデザイン考案者。創作は万博前後の多忙な時期と重なったが、「読者からの感想が絵を描く力になった。すぐに反応がある新聞の連載だから紡げた物語」と振り返る。(大盛周平)

 物語は、神戸に住むやましたさんの母がモデルで、カメ2匹との日常を描いている。イヌやネコのような機敏さがないカメだけに、物語の展開はスローで、カメがベランダに出入りしたり、おばあちゃんとおじいちゃんが散歩したりするだけの回もある。

 単行本に収録したのは2023年秋~25年秋に掲載された計48話。やましたさんはその時期、着ぐるみの設計などミャクミャク関連の仕事や、万博イベントに参加する機会などが増えていた。絵本の執筆もありハードな日々だったが、「この時期を乗り越えられたのは、おばかめの読者の存在が大きかった」という。

 連載への感想は、兵庫県内を中心に10~80代の幅広い層から届いた。カメの飼育歴がある人からは「屋内でうんちはどうしてますか」「娘が小学校からもらってきました」という声が寄せられ、飼育していない人からも「毎話癒やされます」といった手紙やメールが届いた。登場人物が亡くなる回には「寂しくなりますね」と読者から寄り添う言葉をもらうこともあった。

 その都度、励みにしたり、ストーリーづくりの参考にしたりしたというやましたさん。単行本のあとがきに「おばあちゃんのように丁寧にかめを飼われている人たちが、思った以上にたくさんいることに驚いた。一通一通のお便りが、僕の作品作りの原動力になっている」と書いた。

 単行本「おばあちゃんとかめ 何げに楽しい2匹とのくらし」には連載のほか、やましたさんや母が飼うカメたちの実物写真なども載せている。1595円。全国の書店で発売中。