阪神・淡路大震災による大規模な地滑りで34人が亡くなった西宮市仁川百合野地区では17日早朝、追悼式があった。住民ら約70人が発生時刻に黙とうし、「29年前の震災を風化させない」と誓い合った。
同町では100メートル四方の土砂が深さ15メートルにわたって崩れ、家屋13戸が倒壊した。1997年に「地すべり資料館」が開館し、そばに建てられた慰霊碑前でボランティアグループ「ゆりの会」が毎年開催している。
震災当時から近くに住む会社員渡部圭史さん(41)は、中学1年生で経験した地滑りを「理解が追いつかず涙は出なかった」と振り返る。
地震の揺れで飛び起きた渡部さんの耳に、大きく鈍い音が響いた。窓から外を見ると、目の前まで「土砂が土の壁のように迫っていた」。そこにあるはずの家はなくなっていた。少年野球の先輩、同級生、近所の人…。知り合いだけで約10人が犠牲になった。一時期は震災を思い出すため家で過ごすのがつらかった。

























