新型コロナウイルスの影響で結婚式などを中止した人たちに、兵庫県姫路市でハレの日の思い出をつくってもらう企画「姫路城で叶(かな)えるスペシャルフォトプラン」が11日、始まった。好天に恵まれた初日は、挙式や披露宴を見合わせた同県明石市の菊一圭大さん(28)、紗貴子さん(28)夫妻が参加。2人は和装で城内を巡り、「素晴らしい場所で記念撮影ができ、気持ちが明るくなった」とほほ笑み合った。
姫路市主催で県内外の90組158人が応募。10組18人が審査を通り、3月中旬にかけて撮影などをする。
ピアノ講師の紗貴子さんは小学2年から姫路で育ち、大阪音大に進学。同大でサックスを学ぶ圭大さんと知り合った。在学中は姫路キャスパホールで友人らと演奏会を開催。姫路は仲を深めた思い出の街だという。昨年10月に結婚。海外の挙式や国内の披露宴はコロナ禍でキャンセルした。紗貴子さんが今回のプランをSNSで知り、応募した。
撮影は大天守を背にする姫路城西の丸から始まり、普段は非公開の「乾小天守」「ロの渡櫓(わたりやぐら)」などでも実施。鮮やかな色打ち掛け姿の紗貴子さんは両親に見守られ、柔らかな表情で写真に納まった。
紗貴子さんは「地元の誇りの姫路城で時代劇のような写真が撮れ、本当にうれしい」と声を弾ませた。(田中宏樹)
