世界文化遺産・国宝姫路城(兵庫県姫路市本町)で20日、桜をあしらったオブジェの展示が始まった。白やピンクに色づいた早咲きの花がヒノキのフレームに絵画のように収められ、一足早いお花見気分を味わえる。21日まで。
コロナ禍のイベント中止で廃棄される生花を活用しようと、全国の生花業者らでつくる「フラワーライフ振興協議会」(東京)が企画。構成団体の姫路生花卸売市場が深紅のバラやダリアなど約40種、500本以上を展示用に用意した。
オブジェの展示は入城口近くの菱の門と、二の丸西部の計2カ所。温室栽培で開花させたサトザクラの枝木を横約3メートル、縦約2メートルの枠内に飾り、回りには黄緑のトルコキキョウや紫のアジサイなどを敷き詰めた。作品はフラワーデザインの全国コンテスト「ジャパンカップ」で7度の優勝歴がある加古川市の日坂明広さん(58)が手掛けている。
二の丸には早咲きのカンヒザクラの枝を差した木箱が並び、特設のベンチに腰掛けると、大天守を背景にした写真撮影も楽しめる。神戸市灘区から家族4人で訪れた女性(41)は「去年はお花見を控えていたので桜をじっくり眺めたのは2年ぶり。心が和みました」と笑顔で話した。
入城は有料。展示は午前9時~午後4時。21日午後2時から日坂さんが即興で花束を作る催しが二の丸である。(地道優樹)
