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姫路市が市役所などで配布している住民票に関する委任状。下部には、本人がすべて直筆で記入するよう注意書きがある
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姫路市が市役所などで配布している住民票に関する委任状。下部には、本人がすべて直筆で記入するよう注意書きがある

 今年5月中旬、兵庫県姫路市内などに住む男3人が有印私文書偽造などの疑いで姫路署に逮捕された。知人男性の委任状を偽造し、虚偽の住民異動届を市に提出した-というのが逮捕容疑で、調べに対し「国の持続化給付金を不正に受け取る狙いだった」と話したという。男らは実際、この男性になりすまして給付金を申請。支給は食い止められたが、取材を進めると「委任」制度を巡る抜け穴も見えてきた。(山本 晃)

 捜査関係者によると、被害男性の住所は市内にある集合住宅の空き部屋に移されていた。男性の母親が住民票の写しを取得した際、息子の住所が変わっていることに気付き、警察に相談。既に転居後の住所で金融機関の口座が作られ、給付金の支給待ち状態だったが、口座の停止などにより容疑者側の目的が達成されることはなかった。

 これまでの捜査で、偽造した委任状による住所変更の被害はほかにも確認されており、いずれも容疑者側と面識があった。姫路署が主犯格とみる男(37)は「不正受給は何回かした。住民票の住所は、受給に成功したら元に戻していた」と説明したという。

 姫路市によると、委任状は仕事や障害などの理由で窓口に行くことが難しい場合に備えた仕組みだ。不正防止のため、申請時には代理人の運転免許証などを確認し、委任者の現住所や生年月日も書類に記入してもらうが、不備がなければ手続きは進む。市の担当者は今回のケースについて「本来の目的を逸脱している」と憤りつつ「防ぎようがない事例」と漏らす。

 さらに捜査関係者は、制度上の「穴」が突かれたとも指摘する。市外からの転入の場合、以前の市区町村で取得した転出届が必要だが、同じ市内なら不要となっている。

 また、住民票の写しには現住所と一つ前の住所が記載される。虚偽の転居先から元の住所に戻すだけだと発覚する可能性があるため、被害者が以前暮らしていた住所にいったん移した後、元に戻していた例もあったという。

 「性善説に基づく公的機関の制度を悪用しており、ここまでの手口はまれ」と捜査関係者。男らの一部はその後、給付金の詐欺罪でも起訴され、神戸地裁姫路支部で公判が続いている。

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