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醸造所の着工を前に建設予定地で夢を語る池内正雄さん(左)と入山航さん=姫路市内
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醸造所の着工を前に建設予定地で夢を語る池内正雄さん(左)と入山航さん=姫路市内
イーグレブルワリーのロゴマーク
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イーグレブルワリーのロゴマーク
鳥取で「大山Gビール」の仕込み作業をする入山さん(2017年撮影)
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鳥取で「大山Gビール」の仕込み作業をする入山さん(2017年撮影)

 兵庫県姫路市のバー店主らが、クラフトビールの醸造所を市内に開く。世界文化遺産・国宝姫路城の別名「白鷺城」にちなみ、姫路・西播地区では初という醸造所を「イーグレブルワリー」と名付けた。早ければ来年夏にも、造り手の感性とこだわりを詰めた姫路仕込みのビールが誕生する。「ご当地ビールの枠にとどまらず、姫路から世界へはばたくビールにしたい」。ビール造りの夢を温めてきた店主らは、コロナ禍の先に、再び大勢で乾杯し、ビールを楽しめる日を心待ちにしている。(段 貴則)

 醸造所を立ち上げるのは、市内でバー・レストラン「ヴァーミリオン」などを経営する池内正雄さん(45)と、国内外でクラフトビール造りの経験を積んだ入山航さん(32)。

 入山さんは姫路のブリティッシュパブ勤務を経て、数多くの受賞歴を誇る鳥取県の地ビール「大山Gビール」の醸造に携わり、米国でも修業を積んだ。再び姫路に戻り、パブで働きながら「いつか自分のビールを造りたい」と願ってきた。

 一方、池内さんもバー経営の傍ら、国内外の醸造所や蒸留所を訪ね、世界のビールに触れる中でビール醸造への思いを強くしていった。入山さんと出会い、ビールへの思いを語り合うと「それぞれが目指すビールの一致点も多かった」という。

 夢の実現へ2人の背中を押したのは、コロナ禍だった。感染予防対策として、酒類提供の自粛など飲食店へのしわ寄せが大きくなった。酒に携わる仕事をしてきた2人が、地元でのクラフトビール造りを通じて地域の活気を取り戻そうと、挑戦することにした。

 事業計画は、中小企業の業態転換や新分野進出を後押しする国の補助金の対象に決定。今秋、直売所も備えた醸造所の建設を市内で始めた。敷地は約400平方メートルあり、来年2月をめどに試験醸造を開始する計画。今後は、商品ブランド名も決め、早ければ来年夏の初出荷を目指している。

 2人は「ビールの幅広さをもっと知ってもらいたい」と口をそろえる。日本のクラフトビール醸造は、1994年の酒税法改正を機に、小規模なメーカーが各地に誕生して本格化。一方、世界中に300種類のビールがあるとされるうち、国内大手のビール商品はほとんど、ジャーマンピルスナーと呼ばれる1種類が占めるという。

 池内さんは「ビールの味だけでも苦い以外に酸っぱい、フルーティーなどさまざま。また、人によって、飲む場面によって、適したビールがある。その面白さ、豊かさをクラフトビールで味わってほしい」。イーグレブルワリーの醸造長を務める入山さんも「飲んだ人に感動や衝撃を与えられるビールを仕込みたい」と力を込める。

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