ガラス工芸の現代作品と、大きな足跡を残した先達(せんだつ)の作品を併せて紹介する「’21日本のガラス展」巡回展(神戸新聞社など主催)が兵庫県姫路市書写、書写の里・美術工芸館で開かれている。光を通し、加工しやすいなどガラス素材の特性を生かし、自由な発想で可能性を追求した93点が並ぶ。3月6日まで。(上杉順子)
日本ガラス工芸協会が3年に1度開き、15回目。2022年は協会の創立50周年と国連で採択された国際ガラス年に当たる。現会員の最新作に、創立メンバーら15人の作品も加えて展示。原則1人1点で、色ガラスに金箔(きんぱく)を混ぜ込んだ「飾筥(かざりばこ)」シリーズで知られる故藤田喬平氏の作品は2点出した。
播磨ゆかりの出展者はいないが、ガラス工芸作家、青野武市氏(1921~2011年)は姫路市出身で協会創立発起人の一人だった。生誕100年の節目を昨年に迎えたところで、同館は「姫路での巡回展に縁を感じる」とする。
ガラスは息を吹き込む、鋳造する、切る、磨くなど成形方法が多彩で、着色しやすい。部品を後から接着できるなど他の工芸と比べても自由度が高い。会場には「どうやって作ったのか」と考えさせられたり、「これがガラスか」と驚いたりするような作品が並ぶ。光の当たり方や見る角度で変化する作品も多い。
本庄有紀学芸員は「日用品としてなじみ深い素材だが、一見ガラスと分からない作品展示も。質感や色を楽しんで」と話す。
午前10時~午後5時。一般310円。月曜休館(1月10日開館で11日休館、2月23日開館で24日休館)。
1月10日午後2時から出展作家がギャラリートーク。当日先着30人。16、30日と2月13、27日には学芸員のガイドツアーがある。書写の里・美術工芸館TEL079・267・0301
