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蒲田商店の店主となった土田由里さん(左)。蒲田健策さん、栄子さん夫妻の思いも引き継ぐ=姫路市忍町
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蒲田商店の店主となった土田由里さん(左)。蒲田健策さん、栄子さん夫妻の思いも引き継ぐ=姫路市忍町
蒲田夫妻から長年培った商いや商品の知識を教わる土田さん=姫路市忍町
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蒲田夫妻から長年培った商いや商品の知識を教わる土田さん=姫路市忍町

 この2年ほど、姫路駅西地区(兵庫県姫路市忍町、久保町)で、新たな店がぽつりぽつりと誕生している。長らく空き店舗となっていた物件を改装した飲食店が目立つ。荒物店の後継ぎに手を挙げた1級建築士もいる。駅西の物件を専門に扱い、改装や出店支援を手掛ける会社まで登場した。「播磨の台所」として200以上の店が軒を連ねた時代には程遠いが、小さな店の明かりが着実に増えてきた。商いの街復活へ、地元は新たな担い手に期待を寄せ、呼び掛ける。店主さん、いらっしゃーい。(段 貴則)

 忍町で60年続く荒物店「蒲田商店」が今日も店を開けている。間口2メートルほど、奥行き約14メートルの細長い店の壁にはやかんなどが並び、昨年までと変わらぬ店構えだが、今月から一つだけ変わったことがある。店主だった蒲田健策さん(72)、栄子さん(70)夫妻に代わり、1級建築士の土田由里さん(34)が後を継いで店番を務めている。

 「蒲田夫妻から代替わりして寂しがるお客さんもいるけれど、変わらない店の雰囲気に安心し、応援もしてくれる」と土田さん。夫妻から屋号を含めて事業を引き継ぎ、接客も板についてきた。

 きっかけは、駅西再生のビジネスプランを練る「リノベーションスクール@姫路」(姫路市主催)。土田さんが昨年6月に受講し、蒲田商店が営業する築70年の物件を生かすプランについて発表した。

 物販に関心を持っていた土田さんは気さくに接客する夫妻の人柄に加え、日常の家庭用品を扱い、やかんだけでも18種類がそろう品ぞろえにも魅力を感じた。

 雰囲気を大きく変えるプランでは、町の個性が失われてしまうため、小さな変化を重ねていくことを重視した。屋号をそのまま残し、商店兼建築士事務所として営業。自身の子育ての場にもするプランを練った。

 蒲田商店は戦前から市内で営業し、60年前、現在地に店を移した。接客担当の栄子さんは「私が75歳くらいまで店を続け、物件を託せる人がいればと考えていた」という。リノベーションスクールを通じて土田さんと出会い、店や地域のことを話すうち「気の合う若い友人のような存在。いい機会」だと感じ、店を引き継ぐことにした。

 蒲田さん夫妻が、商品の特長や仕入れ先などを土田さんにアドバイスし、年末に経営から退いた。周囲の空き店舗には近年、飲食店の開業も目立つ。健策さんは「新しい飲食店ができるのもいいが、物販の店を継続できれば昼間の人通りも増えて、町に活気が出てくるはず」と期待を寄せる。

 土田さんは、通りを歩けば各店の日常が感じられる地域を思い描く。「通りに面した店先にまで商品が並び、子どもが遊んでいるような店にし、昔ながらの町の雰囲気を残していきたい」と話している。

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