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ロードサイドに並ぶ商業施設=姫路市東山
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ロードサイドに並ぶ商業施設=姫路市東山
千人近い児童数の糸引小学校=姫路市東山
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千人近い児童数の糸引小学校=姫路市東山
中島謙一郎さん=姫路市継
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中島謙一郎さん=姫路市継
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 20年ほど先の未来、兵庫県姫路市内で「人口増加率」予測が首位となっている小学校区をご存じですか-。市東南部に位置する糸引(いとひき)校区。働く世代を中心に人口が増えており、今後も増加が続くと見込まれている。姫路商工会議所が作成した「校区別詳細分析シート」のデータをもとに、同校区を歩いてみた。(安藤真子)

 「分析シート」は、姫路商議所が2018年、市内全69小学校区(当時)を対象にまとめた。糸引は、2015年の人口約1万800人と比べ、45年には1万2千人を超える見通し。人口増加率は12%増となる計算で、全校区の中で最も高くなった。

 また、45年時点の人口予測を世代別で見ると、15歳未満の「年少人口比率」、15~64歳の「生産年齢人口比率」の高さも上位5位に入っている。一方で、65歳以上の「高齢化比率」は67位。「69校区のうち、3番目に高齢者人口が少ない」ことを表している。

 校区を巡ると、新しい一戸建てが目立つ。ロードサイドには、スーパーマーケットやホームセンター、飲食店なども並ぶ。山陽電鉄の駅近とは言えないが、姫路バイパスの姫路東ランプに近く交通の便は良いように感じる。

 なぜ糸引は増加する見通しなのか。これまで人口調査を続け、分析シートを手掛けた姫路商議所の担当者を訪ねた。

 解説してくれたのは、同商議所で糸引地区を担当する大椿統担当部長と、姫路経済研究所首席研究員を務める木村康平さん。2人は人口増加の理由について「活発な田畑の宅地化」を挙げる。姫路バイパス周辺は長方形など形が整った農地が多く、ファミリー向け住宅などの宅地分譲が盛んだという。

 ただ、宅地化による人口増加は糸引に限った話ではない。大椿さんは「実はもう一つ、糸引特有の理由がある」と指摘する。

 糸引校区には30~40年前、大手石油会社の社宅があったという。大椿さんによると「会社側が待遇の良さを広くアピールするため、社宅に暮らす従業員が共働きをせずに済むような給与水準にしていた」と話す。そのため、社宅の子育て世帯では、専業主婦などの親が子どもと向き合う時間も増え、塾通いや習い事も盛んに。社宅の教育熱の高さが次第に校区内の世帯にも伝わっていったという。

 糸引にマイホームを購入する若い世代は、校区出身者が多いそうだ。大椿さんは「糸引校区の雰囲気が良かったから帰ろう、という流れが起きている」とみている。

■五つの村合併 明治期に誕生「東山焼」発祥の地

 姫路バイパスを挟んで東西に校区が広がる糸引。歴史や町の移り変わりを調べに、糸引公民館(姫路市継)を訪ねた。

 糸引は1889(明治22)年、東山・継・奥山・北原・兼田の五つの村が合併し「糸引村」として誕生した。公民館によると、村名の由来は、5村が共同で開発した農業用水「糸引井(いとひきゆ)」にあるという。江戸時代後期に姫路の藩窯(はんよう)として栄えた「東山焼(とうざんやき)」の発祥の地でもある。

 公民館長の中島謙一郎さん(67)は「私が小中学生だったころは、通学路には田畑しかなかった」と振り返り、宅地化や大手石油会社の社宅跡の開発で住宅が増えていったという。

 糸引で生まれ育った中島さん。仕事の都合で地元を離れた時期もあったが、祭りの役を担う40代になるのを機に戻った。「山陽電車の駅までそう遠くないし、大阪や神戸は通勤圏内」。中島さんも加古川や神戸の職場に自宅から通った。

 宅地化が進み、町並みも様変わりした。周辺には大型スーパーや飲食店なども増えた。「生活は便利になったけど、地元の商店がなくなったのはさみしいね」と話す。

 地域は若い世代が増加する一方、公民館利用者には80代の高齢者も目立つという。中島さんは「世代を超えて地域の人が楽しみ、コミュニケーションをとれる場所にしたい」と笑顔をみせる。

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