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安富町の魅力を伝える全10回のフリーペーパー「やすとみびより」
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安富町の魅力を伝える全10回のフリーペーパー「やすとみびより」
安富町のPRに取り組み続けた臼井千夏さん。「たまに安富での生活が名残惜しくなる」と懐かしむ=加東市内
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安富町のPRに取り組み続けた臼井千夏さん。「たまに安富での生活が名残惜しくなる」と懐かしむ=加東市内
臼井千夏さんも参加したイベント「かかしサミット」当日の奥播磨かかしの里(臼井さん提供)
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臼井千夏さんも参加したイベント「かかしサミット」当日の奥播磨かかしの里(臼井さん提供)
安富のグルメや名所などを写真で紹介するSNSのアカウント
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安富のグルメや名所などを写真で紹介するSNSのアカウント
臼井さんの後任として安富町を盛り上げる清水和仁さん=姫路市安富町関
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臼井さんの後任として安富町を盛り上げる清水和仁さん=姫路市安富町関

 自然豊かな兵庫県姫路市安富町を盛り上げようと、住民と二人三脚で町おこしに取り組んできた人がいる。同県加東市の写真作家、臼井千夏さん(34)。地域の活性化を手伝う「地域再生協働員」としての約2年の任期をこの春に終えるまで、本業のカメラの腕を生かしながら町のPRに汗を流してきた。「あちこちを巡りシャッターを切り続けた2年間。ちょっとは役に立てたのかな」。レンズを通して安富と向き合い、魅力を掘り起こし続けたこれまでを振り返ってもらった。(森下陽介)

 福岡県出身の臼井さんは大阪の写真学校卒業後に、作品の題材を探す中で田舎の景色に溶け込むかかしに魅了された。早速テーマに据え「かかしフォトグラファー」を名乗りながら活動してきた。

 同市安富町関地区で展開する「奥播磨かかしの里」と出合ったのは29歳の時。わずか9世帯13人が暮らす限界集落のあちこちに、住民の10倍のかかしがたたずむ不思議な光景に引かれ、同地区での創作活動を始めた。協働員の募集が始まるとすぐに応募した。

 地域再生協働員とは、県版「地域おこし協力隊」とも呼ばれ、移住を条件とせず、高齢化や少子化が進む地域のPRや住民の生活支援などに取り組む。

 臼井さんは、町内外の人に安富の見どころを紹介しようと、フリーペーパー「安富町魅力発信紙やすとみびより」を発行。ホームページを立ち上げ、写真共有アプリ「インスタグラム」内にアカウントも開設し、情報を発信し始めた。

 「よそ者」だったのも最初だけで、活動が知られるにつれて声を掛けられることも増えた。「こんなええところがあってんな。昔から見てると当たり前の景色で気付かんかったわ」。時には地元住民も見逃していた魅力を掘り起こし、紹介してきた。

 A4サイズでオールカラーのやすとみびよりは、地元名産のユズを加工する「安富ゆず工房」や130年の歴史がある「下村酒造店」などを全10回にわたり紹介。市の広報誌と併せて、町内では全戸に配布されていたという。

 「ちょっとしたエピソードから安富の自然の魅力が伝われば」と臼井さん。地元のピザ店「尾の花キャビン」の回では、店主が過去に植林したスギやヒノキを自ら伐採、加工しながらログハウスを建てて、店を開いたという話を掲載。「グリーンステーション鹿ケ壺」の回で紹介している名物「白雪ぜんざい」は、全て安富町産の食材からできている。

 取材や原稿執筆、写真撮影を全て1人でこなし、写真をふんだんに使って、華やかなデザインに仕上げた。1回分を完成させるまでに2カ月がかりになることも。「話を聞くのが楽しくて、ついいろんなことを聞いてしまう。そのときの新鮮な驚きや面白さを伝えたかった」

 インターネットを通じた情報発信にも力を入れてきた。360度を撮影できる専用のカメラを使い、町内の名所で撮った写真をグーグルマップに掲載。検索した人は現地に足を運ぶ前に、安富のリアルな雰囲気を感じられる。

 地道な取り組みは奏功し、今ではやすとみびよりや臼井さんオリジナルの観光マップ、ウェブサイトを眺めながら訪れる人も増えている。臼井さんは「任期が終わってからも残り続けるものを生み出したかった。大好きな町の役に立てたのならうれしい」と晴れやかに笑った。

■後任の清水さん 「人を呼び込める場所に」

 この春から臼井さんの後任として安富町にやって来たのは、同県宍粟市の県立森林大学校の運営支援員で同市在住の清水和仁さん(57)だ。調理師や民族楽器の演奏家、沖縄で漁師の見習い経験もあるという多彩な経歴の持ち主。早速、町おこしに取り組んでいる。

 これまでも定期的に安富町に訪れていた清水さん。その中で知り合った地元住民から協働員への応募を進められた。

 任期の間に「一年を通じて人を呼び込める場所にしたい」と話す。キャンプ場でのテントサウナの設営や、民族楽器製作のワークショップの開催を構想。また、関地区伝統の火祭りは近年、過疎化から規模を縮小して開いていたが、これを元の形に復活させる計画もある。

 清水さんは「できることはまだまだあるはず。安富はそんな可能性のある町だと思う」と意気込む。

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