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のぼりをたなびかせ天神浜に向かう檀尻船=姫路市家島町
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のぼりをたなびかせ天神浜に向かう檀尻船=姫路市家島町
宮地区の住民が島の路地を練り歩いたちょうちん行列=姫路市家島町
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宮地区の住民が島の路地を練り歩いたちょうちん行列=姫路市家島町
参道を舞いながら進む真浦の獅子舞=姫路市家島町
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参道を舞いながら進む真浦の獅子舞=姫路市家島町

 播磨灘に本格的な夏の到来を告げる、家島神社(兵庫県姫路市家島町)の天神祭が23日の宵宮、24日の昼宮で、従来通りの祭典を3年ぶりに実施した。宮地区の住民が路地を歩いて御神火を届ける伝統のちょうちん行列、県重要無形文化財に指定される真浦地区の獅子舞、華やかに彩られた両地区の檀尻(だんじり)船、そして島を照らす打ち上げ花火。新型コロナウイルス感染症が再拡大する中、担い手は対策を徹底し、マスク姿で見守る住民たちに希望を届けた。(大山伸一郎)

 3年前の夏祭りは、人口減少で担い手も減り、開催日を週末に替える苦渋の決断をした初めての夏祭りだった。感染症拡大に振り回された2年間、島民は厳かな神事とともに、密集を避けた「疫神流し」「疫神送り」「海上渡御(とぎょ)」などで疫病退散を祈り続けてきた。

 23日に迎えた宵宮は、宮地区の約150人が集落を歩いて巨大なのぼりを掲げ、真浦港に浮かぶ船上舞台では獅子舞を島内外からの観客が堪能した。午後9時半、820発の海上花火が打ち上げられ、夜空には鮮やかな大輪が浮かび上がった。

 翌日の昼宮では、檀尻船に乗った獅子舞が同神社や天神浜などで奉納され、御座船が両地区と坊勢島を巡って祈りをささげた。

 真浦区長の畑野長利さん(66)は「さみしい思いが3年間募っていた分、住民の喜びもひとしお」とし、宮地区祭典委員長の中川幸一さん(80)は「厳しい感染対策をして担い手には苦労をかけたが、天気が味方してくれた」と青空を見上げた。祈願を終えた高島俊紀宮司(63)は「(今回の祭りが)家島がますます発展する再出発の契機になってほしい」と力を込めた。

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