気軽に川遊びが楽しめると若者や家族連れに人気のスポット、兵庫県姫路市夢前町新庄の木戸ダムで今月、２０代の男女が重傷を負う事故が２件起きた。いずれも原因は禁止されている川への飛び込み。管理する県姫路土木事務所が注意を呼びかけている。（森下陽介）

　姫路市の中心部から夢前川沿いに車で北上すること約４０分。周囲を山並みに囲まれ始めた頃、川遊びやバーベキューが楽しめるとレジャー客が訪れる木戸ダムが見えてくる。夏の休日には併設の駐車場も満車状態で、水着姿の若者らでにぎわう。

　河川の土砂の流れを調節する砂防ダムで、川上側は水深が深く、危険な飛び込みが相次いでいる。家族で訪れていた市内の男性（３２）は「インターネットでは『飛び込みスポット』として紹介されていた。絶対安全とは思っていないけど、そこは自己責任で遊んでいる」と話す。

　姫路署によると、６日午前、大阪府吹田市の男子大学生（２０）が高さ約８メートル、幅約４メートルのせきから転落し、肺挫傷と脊椎骨折の重傷に。また２０日午後には、同府茨木市の女性会社員（２６）が同様に転落し、顔の骨を折るなどの重傷を負った。

　２人はせきから川に向かって跳び込む際に、助走を付けようと後ろに下がったところ、水深の浅い反対側に足を踏み外したとみられる。

　木戸ダムでは過去に飛び込みが原因の死亡事故も起きており、県などは安全に遊んでもらおうと看板を立てて注意喚起している。ただ、河川の利用は原則自由で、ダムへの立ち入りを防ぐことも難しいという。

　同事務所の担当者は「飛び込みできるのか、と問い合わせを受けることもあるが、危険なのでやめて。川遊びは浅瀬で安全に楽しんでほしい」としている。