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姫路市内で生息域を広げているヤマビル(市環境政策室提供)
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姫路市内で生息域を広げているヤマビル(市環境政策室提供)
県森林動物研究センターが2019年に調査した県内のヤマビルの分布。現在はさらに拡大しているという
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県森林動物研究センターが2019年に調査した県内のヤマビルの分布。現在はさらに拡大しているという

 兵庫県姫路市内でヤマビルの生息域が拡大している。シカやイノシシに付着して広がり、都市部を含め市内全域に分布しているとみられる。人や動物の血を吸い、吸血跡からは出血が数時間続くことも。街中の畑などでも生息が確認されているためハイカー以外も注意が必要で、専門家は「人里近くでも見つかるケースが増えている。これまでいなかったからといって油断しないで」と呼びかける。(森下陽介)

 ヤマビルは吸血性のヒルの一種で、体長は2~8センチほど。4~11月が活動期で、日陰の湿った環境を好む。動物の二酸化炭素などに反応し、分速1メートルのスピードで地面からはい上がって血を吸う。吸血跡からは出血が続き、1カ月ほどかゆみが継続することもある。

 市内の登山愛好家の間では10年ほど前まで、市北部を東西に走る中国自動車道より北側に生息しているというのが通説だった。しかし、県森林動物研究センター(丹波市)が2019年に県内の農業集落ごとに初めて調査を実施したところ、姫路市内では都市部の南東部を含めほぼ全域に広がっていることが分かった。その後もさらに生息域は拡大しているという。

 同市西部の太市地区で、5年前に父の畑を受け継いだ兼業農家の谷口真吾さん(44)は昨年、自宅近くの畑で初めて被害に遭った。「父の時代には畑でヤマビルにかまれるなんて聞かなかった」とこぼす。

 市北部農林事務所の担当者によると、ヤマビルはシカやイノシシに付着。市内ではとりわけシカの生息域が広がったため、ヤマビルも各地で確認されるようになったという。シカの駆除も進めるが、地域によって対応に差が出ているという。「街に近い山では猟銃が使えずわなも置きにくい。『シカがかわいそう』との声もあって駆除が難しい」と打ち明ける。

 民間団体「ヤマビル研究会」(千葉県)代表の谷重和さんは「グロテスクな見た目で出血も多く、かまれるとショックを受ける人もいる。生息していそうな場所では忌避剤を靴に塗布したり、止血用のばんそうこうを持参したりと備えを万全にしてほしい」と話す。

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