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自宅の一部を改装し、スイーツ製造所を開業した川西智也さん=姫路市網干区田井
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自宅の一部を改装し、スイーツ製造所を開業した川西智也さん=姫路市網干区田井
持ち歩いても崩れる心配がないので手土産におすすめというスコップケーキ=姫路市網干区田井
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持ち歩いても崩れる心配がないので手土産におすすめというスコップケーキ=姫路市網干区田井
得意のスポンジケーキを生かし、フルーツサンドのお店を開いた吉川千恵さん=姫路市網干区田井
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得意のスポンジケーキを生かし、フルーツサンドのお店を開いた吉川千恵さん=姫路市網干区田井
台湾カステラ(右)やチーズバー(手前)、シフォンサンドも人気=姫路市網干区田井
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台湾カステラ(右)やチーズバー(手前)、シフォンサンドも人気=姫路市網干区田井
神戸新聞NEXT
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 兵庫県姫路市網干区にユニークな洋菓子店が増えている。今年に入ってから、大津茂小学校(同区田井)を挟んだ東西の住宅地に、完全予約制で無店舗営業のスイーツ製造所、分厚いフルーツサンドに絶対の自信を持つ専門店が相次いでオープン。味はもちろん、開店の背景もじっくり聞いてきた。(上杉順子)

■「しあわせスイーツぶーちゃん」インスタがショーケース 自宅で製造、SNSで宣伝・受注

 小学校の東側に4月にオープンした「しあわせスイーツぶーちゃん」は、前日までの完全予約制。26歳になったばかりの若きオーナー川西智也さんが、実家2階の自分の部屋を製造所に改装して始めた。

 主にインスタグラムやLINE(ライン)などの交流サイト(SNS)で宣伝し、注文もそこで受ける。店舗は構えず、「インスタがショーケースだと思ってます」。お客は指定の日時にインターホンを鳴らし、玄関で作りたての商品を受け取る仕組みだ。

 看板商品はシンプルなシフォンケーキ「のむしふぉん」(18センチホール1500円)。「飲めるほど喉越しがいい」という意味で、ぶわんぶわんと手の中でたわむ軟らかさだ。他に時期限定のクッキーやデコレーションケーキ、水まんじゅうなど、常時数種の洋和菓子を用意する。

 幼いときから将来の夢はずっと「ケーキ屋さん」。25歳で店を出すと決めていた。市内の製菓専門学校を卒業した後、洋菓子店、和菓子店で2年ずつ修行。さらに鮮魚店で集中的に働いて開業資金をためた。自宅の改装も進め、長年の夢を実現した。

 作り置きしない営業形態はフードロス削減にもつながるという。屋号の「ぶーちゃん」は大津茂小学校に通っていた頃に愛犬だったポメラニアンの名前。お店のマークのイラストも、学校で当時描いていた漫画の「ぶーちゃん」をそのまま採用した。

 人が好きで「お客さんに楽しんでほしい」と、巨大シュークリームなど一風変わった商品をSNSでゲリラ販売することもある。「開業資金があまりなくても工夫すればいろいろやれるよと、自分よりも下の世代に伝えたい」と話す。

【しあわせスイーツぶーちゃん】姫路市網干区田井52の16。営業時間は月-土曜は午後1~6時、日曜は午前10時~午後6時。電話での問い合わせは午後7時まで。インスタグラムのアカウントは「@shiawase_sweets_boochan」。TEL090・8375・7276

■「お菓子なお店 ボヴィッチ」小6長男の一言で開業決意 得意のスポンジケーキとすっきり味のクリームがマッチ

 小学校の西側には1月、フルーツサンドが看板の「お菓子なお店 ボヴィッチ」がオープンした。カラフルな断面が目に楽しいサンドをはじめ、プリン、シフォンケーキなどがショーケースいっぱいに並ぶ。

 店主の吉川千恵さん(35)は、以前からスポンジケーキ作りが得意。「子どもや友達にも『パサパサしない』と好評で。変わったことはしていないけど、メレンゲの立て方なのかな。この特技を何かに生かせないかと考えていた」と話す。

 フルーツサンドはクリームを塗って一晩寝かせており、しっとりした食感が持ち味。そのため売れ行きが良くても急な補充はできず、売り切れ次第、販売は終了となる。保存料不使用で日持ちしないこともあって在庫管理が大変だが、「このこだわりは譲れない」という。

 こだわりはクリームにも。砂糖ではなく練乳で甘みを付け、果物に合うすっきりした味に仕立てた。中央卸売市場(同市延末)で仕入れる旬のフルーツを挟んでもこぼれないよう、植物性と動物性をブレンドして絶妙な硬さにしている。

 店を開く前は大型量販店のパート主婦だった吉川さん。開業のきっかけは小学6年生の長男の一言だった。「料理を作る人になりたい」。学習障害があり、中学以降の進路が気がかりだ。「前から漠然と店をやりたいなと思っていたけど、それなら自分があの子の基盤をつくってみようかなと」。思い立ったら行動は早く、メニュー研究の傍ら空き店舗を探し、半年ほどでオープンにこぎ着けた。

 背中を押してくれた長男は今、店の洗い物や掃除を手伝ってくれる。「もちろん、商品はまだ触らせないけど。リピーターのお客さんが増えてきたので、大事に細く長く続けていきたい」と朗らかに笑った。

【お菓子なお店 ボヴィッチ】姫路市網干区田井215の6。午前11時開店、売り切れ次第終了。月曜休み。フルーツサンドは普通サイズ350~550円、半分のキューブは200~300円。具は通年のクッキーバナナや旬のイチジクなど。TEL079・258・7926

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