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島の風景を満喫する「たまちゃん」ことグエン・ウエン・ゴックさん=家島町宮
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島の風景を満喫する「たまちゃん」ことグエン・ウエン・ゴックさん=家島町宮
小さなスーパーではいつも島の女性が親切にしてくれた=家島町宮
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小さなスーパーではいつも島の女性が親切にしてくれた=家島町宮

 高度な知識や技術を持つ外国人学生を受け入れる国のインターンシップ(就業体験)事業を、兵庫県姫路市家島町の合同会社「いえしまコンシェルジュ」が導入している。11月中旬までの1カ月半、カフェや素泊まり宿で就業体験しながら島暮らしを満喫し、その魅力を世界に発信したのは「たまちゃん」だ。ベトナム出身の22歳の女性は、流ちょうな日本語と気さくな笑顔で島民に溶け込み、瀬戸内の風景に爽やかな風を残して去って行った。(大山伸一郎)

 日本企業に興味のある途上国の学生を受け入れ、海外展開や新たな視点による事業創出を促進しようと経済産業省が2016年度から進める事業。いえしまコンシェルジュでは外国人観光客の誘致促進を目指し、9月にはインドネシアからの男子大学生を初めて受け入れた。

 続いて10月6日に来島したのがグエン・ウエン・ゴックさん(22)。「ゴック」は「玉」という意味で、島の子どもたちから「たまちゃん」と親しまれた。ベトナム中部のダナン市でマーケティングなどを学ぶ大学生だ。祖父の影響で高校生の時に大好きな日本語を学び始め、動画制作などコンテンツクリエーターとして情報発信に取り組む。

 物おじしない性格で、来島早々に子どもたちと打ち解けた。港で少し寒そうにしていると服を貸してくれたり、店で困っていると買い物の仕方を教えてくれたりする島民の温かさに触れる日々。「新鮮な魚もおいしいけど一番の魅力は人間。ベトナムも助け合いが好きだけど、家島にも協力して問題を解決する文化があるね」と目を輝かせた。

 たまちゃんは11月16日に帰国するまで毎日、経産省への報告を行い、交流サイト(SNS)だけでなく、日本国内の友人を島に呼ぶなどさまざまな方法で魅力を発信した。

 「こんなに心を癒やせて、楽しく過ごせる場所が日本にあることは知られていない。湾に浮かぶ虹を見て、本当に穏やかな気持ちになったよ」

 笑顔の異邦人は小さな幸せをかみしめ、小さな島を後にした。

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