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ガラス製の天井を突き破りそうなほど伸びたサボテン=手柄山温室植物園
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ガラス製の天井を突き破りそうなほど伸びたサボテン=手柄山温室植物園
サボテンの先端を切る職員=手柄山温室植物園
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サボテンの先端を切る職員=手柄山温室植物園
サボテンの切断面に殺菌剤を塗る職員(手柄山温室植物園提供)=同園
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サボテンの切断面に殺菌剤を塗る職員(手柄山温室植物園提供)=同園
伐採されたサボテンの先端。乾かした後、鉢に植えて栽培する=手柄山温室植物園
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伐採されたサボテンの先端。乾かした後、鉢に植えて栽培する=手柄山温室植物園

 手柄山温室植物園(兵庫県姫路市手柄)で11月、42年前の開園時から展示しているサボテンの先端が職員の手で切断された。その理由は、伸び続けたサボテンが温室の天井を突き破る恐れがあったからだ。「いつかは成長が止まるだろう」。そんな期待をよそに、サボテンは高さ約6・5メートルまで伸び、天井まであと数センチに迫っていた。先端を切ると形状が変化する恐れもあったが、温室の造りは変えられない。職員は悩んだ末に手を加える決断を下した。

 サボテンは、1980年の開園時から球体形の小温室で育てる「ブリンチュウ」。室内には同じ品種がほかに6株あるが、最大でも高さ4メートルほどで、1本だけ大きさが際立つ。

 「普通は高さ4~5メートルで止まるんやけれど…」。副園長の朝井健史さん(51)は苦笑いを浮かべる。この1本は成長がいつまでも止まらず、先端とガラス製の天井との間には指2本分ほどの隙間しかなかった。

 だが、職員の間で切断には抵抗感があった。サボテンの先端には「成長点」がある上、切った部分からは脇芽が伸びるからだ。「本来の形を崩してあげたくない」。そんな親心から対応に悩んだという。

 だが、サボテンは硬く、来春の成長期にはガラスを割って室外まで伸びるのは確実だった。開いた天井から雨が吹き込むと他の植物に影響が及ぶため、切断することにした。

 休園日。朝井さんらが大型のはしごでサボテンに近づき、先端から約60センチをカット。切断面には腐食を防ぐため液体の殺菌剤を丁寧に塗った。切り分けた部分は別の鉢に植え替え、来春ごろに展示する予定という。

 朝井さんは「これで伸びが止まるかはまだ分からないが、今後もじっくりと成長を見守りたい」と話した。

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