姫路

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「テロワール エー」のボトルを手にする本田龍祐さんと本田沙織さん=本田商店
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「テロワール エー」のボトルを手にする本田龍祐さんと本田沙織さん=本田商店
播磨産のブルーベリー(左)と青ミカン(右上)、ペパーミント=本田商店提供
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播磨産のブルーベリー(左)と青ミカン(右上)、ペパーミント=本田商店提供
昨年12月に奉納された大しめ縄=大神神社(本田商店提供)
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昨年12月に奉納された大しめ縄=大神神社(本田商店提供)

 日本酒「龍力」の蔵元、本田商店(兵庫県姫路市網干区高田)が、蒸留酒の一種「スピリッツ」分野に参入した。第1弾商品は、酒米の王様、山田錦の中でも最高品質と称される「特A地区」(同県加東、三木市)産を原料とするクラフトジン。播磨地域のブルーベリーなどを漬け込んで香り高く、まろやかに仕上げた。同社は「播磨でしかつくれないジン。兵庫の最高級山田錦をジンでも味わって」としている。

 商品名は「Terroir A(テロワール エー)」。「龍力」とは別ブランドで展開する。

 全国で栽培される山田錦のうち、別格とされるのが特A地区産。昼夜の寒暖差が大きく、降水量は少ないものの水が豊富で、黒粘土の土壌など、酒米栽培の理想的な条件がそろう。特A地区があるのは兵庫県のみで、同社では加東市と三木市の特A地区産にこだわり、自社精米して日本酒の大吟醸を醸してきた。

 「誰も挑戦したことがない特A山田錦を蒸留酒にして、日本酒以外でも山田錦の魅力を伝えたい」(本田龍祐社長)と、昨年春から、ジンづくりに挑戦。精米過程で得られる米粉から山田錦の香味成分を残したアルコールを製造し、6種類の香味原料ボタニカルを調合して香り付けした。うち3種類は、香寺ハーブ・ガーデン(姫路市)のペパーミント、西川農園(同県赤穂市)の青ミカン、全体をまろやかにするブルーベリーは、同県市川町の観光農園アンドセンスファーム産を使い、播磨の魅力が詰まったジンに仕上げた。

 商品名は「特A」と、主にワイン業界でブドウ畑の土壌や気候、醸造職人の技術などを示すフランス語「テロワール」を組み合わせた。担当の本田沙織さんは「特Aを印象付けるため、デザイン性の高いラベルにした。まずはソーダで割って味わって」と話す。

 1本(500ミリリットル)で税込み4950円。新商品の先行予約サイト「Makuake(マクアケ)」で22日まで販売しており、2月中旬をめどに自社の直営店や専用サイトで一般販売を始める。

     ◇     ◇

■山田錦の稲わら大しめ縄に奈良の神社に提供

 本田商店の酒造りに欠かせない特A地区産の山田錦は、稲わらとしても「酒造りの神様」が重宝しているという。例年冬に醸造安全祈願祭(酒まつり)が開かれる奈良県桜井市の「大神(おおみわ)神社」拝殿前に飾る大しめ縄の材料として、同社が毎年提供しており、今回で10回目を迎えた。

 稲わらは、「龍力」ブランドの最上位銘柄である純米大吟醸「秋津」の酒造りで使用した山田錦。大阪府岸和田市の崇敬団体「照友会」が大しめ縄にして神社に奉納する。

 大しめ縄は約8メートル、重さは約400キロもあり、長い稲わらでしか、大しめ縄は作れない。丈の短い稲わらで作ると、1年持たずに折れて変形してしまうのが課題だった。照友会メンバーが加東市で、背丈が長い山田錦の稲穂を見て大神神社に相談。神社側から同社に依頼があったという。

 本田龍祐社長は「酒の神様である大神神社を飾る大しめ縄の稲わらを提供できるのは、酒造家として、とてもうれしく誇らしい」と話している。

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