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地域に密着した「減災ナース」の育成に取り組む城尾恵子さん=姫路市網干区和久
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地域に密着した「減災ナース」の育成に取り組む城尾恵子さん=姫路市網干区和久

 阪神・淡路大震災を機に設立された日本災害看護学会(東京都)が、防災知識を備えて平時から地域に密着し、災害直後から素早く活動できる看護師ボランティア「減災ナース」を広めようとしている。ツカザキ病院(兵庫県姫路市網干区)の城尾(じょうのお)恵子さん(58)は一昨年、中・西播磨地域で初めての指導者になった。17日で震災から28年。「災害はなくせないが、被害を減らすことはできる」と訴える。

 城尾さんは赤穂市民病院(同県赤穂市)で看護師長まで務めた。救急医療に長く携わり、尼崎JR脱線事故や兵庫県西・北部豪雨などで現地にも派遣された。

 東日本大震災では岩手県へ。自身は軽傷者の手当てを担当したが、後輩の看護師は過酷な現場を目の当たりにし、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を患った。「後輩のような人を出したくない」と、2017年に同病院を辞めて姫路大大学院に進み、看護者の支援を研究した。昨春からはツカザキ病院の担当部長として後進の指導に当たる。

 減災ナースは同学会が18年から提唱。地域の特性や防災計画を知り、自治体と連携して減災対策を練る。城尾さんは「避難所になる施設にトイレやベッドはいくつあるのか、この地域は水害が心配-などの情報を伝えていくのが日ごろの役割」と話す。

 減災ナースを育成する「まちの減災ナース指導者」は、看護実務5年以上で災害支援経験があるなど一定の要件が必要。同学会が会員を対象に研修を行い、現在全国で93人が認証されている。中・西播磨は城尾さんの後に姫路市で1人加わった。

 城尾さんは病院のある網干区で、看護師だけの女性消防団を結成しようと声をかけている。姫路市の防災リーダーを務め、院内でも看護師の防災・減災意識を高める研修を企画したり、同病院のホームページで減災コラムを連載したりしている。

 「阪神・淡路は絶対に忘れてはいけない。DMAT(災害派遣医療チーム)や減災ナースの取り組みもそこから生まれた。教訓を伝えていくことが私たちの役割だと思います」

【特集ページ】阪神・淡路大震災

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